2017/01/25 オムツ

次女が夜中の咳がひどく起きて泣く。それにやはりここの所の変化にうっぷんがたまっているのだろう。「もう〜ちがうの!ちがうの!」と言いながら大きな声で泣いた。次女にしては珍しいけどこれも成長だと思いながら横で寝る。

朝起きると現実が一気に襲ってくる。脳梗塞、血栓、心臓、腫瘍、手術…こんなに怒涛のように事態が急変しているのに目が覚めて見えるのは以前と同じ部屋なんて。…いや、何言ってんだ、一番しんどいのは本人なのだ。これからどうなろうと娘たちが生きて行くために私は精一杯やるしかない。そんな風に切り替えながら部屋の片付けと洗濯とおにぎりを準備して次女を起こす。まだ咳が酷いので熱を測ると37度2分。うーん、園でインフルエンザが猛威を振るって今にでも学級閉鎖になりそうだし今は行かないほうが得策か。

病院で付き添いしている夫に幼稚園を休ませる旨ショートメールし、今朝田舎から到着するお互いの親が泊まる場所をとりあえず2泊ほど確保。

夫が間違えて大人用のオムツを買ってしまったらしいので、長女のオムツを近くのスーパーで買う。ウエスト80-125cm用を子どもの身長と勘違いだって。まあ確かに長女は120cmだけれども。

次女にお父さんと交代だから少し待っててね、と言うとすんなりはーい。と。タクシーに乗って向かう。着くとお義母さんも来ていて、長女「まーちゃん(お義母さんのこと)と一緒に車椅子に乗ってショッピングモールに行きたい」と。「そうだね、今すぐは難しいけど、インフルエンザも流行ってるから落ち着いてからにしようね」こっくり頷くが看護師さんにもお医者さんにも「車椅子に乗って散歩したい」と言っていた。退屈なのだろう。自宅から持って来ていた大きなスティッチのぬいぐるみに夫が間違えて買ったオムツを履かせている。ひとしきり笑う。夫から長女が食べたがっていたシャケいくらおにぎりを買ったから昼ごはん時に一緒に食べたらいいよ、あとホットレモンのあったかいの好きだから冷めたら少しレンジで温めて飲ませてあげて、等。夫は帰っていった。部屋の長女の前では明るく話している。何より長女が明るいから。ただ近いうちに必ずこの事態をはっきり伝えないとならない。しかし過度に不安にさせてもならない、ので誰がどんな風に伝えるのがベストなのか。

主治医の先生より別の専門医のいる病院と話ができたそうで、来週かそのちょい後には手術ができそうで、ちゃんと診察したいから急だけど明日にはきて欲しいのだそう。うわっ、早い。…それだけ深刻だと言うことだろう。

夫が昨日聞きたがっていた“バイパス手術なのか。半身麻痺のリハビリ期間に手術がどう影響するか。”を聞く。“バイパスって血管とかの悪い部分を止めて別のとつなぎ直すと言う手術なので今回は腫瘍を取り除く手術になると思います。詳しくは向こうのお医者さんと相談しながらになると思います。
あとリハビリはベッドの上からでもできることはあるのはそうなんだけど、まずは腫瘍を取り除くことが先決”と言うこと。そりゃそうだよな。まずは移ってから向こうの先生とうまく話しながらやるしかない。明日の午後、救急車で移動することになる。救急車…乗せられたらびっくりするんじゃなかろうか。

おひるご飯、長女シャケいくらおにぎりを頬張る。私の母も到着した。夫から来たショートメールを見せる。

「お母さんが来たら以下について伝えてください。

・お姉ちゃんは大人に迷惑をかけてて悪いと思ってるので、誰かに迷惑をかけてる、と思われるようなことは言わない。
(例えば、ごんちゃん(私)に、お姉ちゃんの前で大変だったね、みたいな言葉)

・お姉ちゃんは頭と勘がいいから、病状についての発言は控える
(過度に大変だったね、みたいな深刻な雰囲気)

・普段通り、明るい姿勢でコミュニケーション取ってほしい

・また、退院した後のポジティブなイメージに繋がる話や昔あったことなど、記憶力を働かせる話をして欲しい」

母達は何かと介護経験もあるのでそこはすぐに飲み込んでくれる。母が田舎の雪景色の写真を見せたり。話を楽しくできる、それが大事だ。その後に頸動脈や足のエコー検査で血管に血栓が無いか調べる。検査にスティッチのぬいぐるみも連れていった。

検査から戻り、母達に任せて私は売店で買った昼ごはん。全然食欲が無い。これだけ食べれるだろうと買った量の半分も食べられない。部屋に戻るとお義母さんが買ってくれたというアイスを食べた所らしい。長女は食欲が結構あるみたいでホッとする。オムツを履いたスティッチに「パンツマン」と名付けてひたすら遊んでみたり、今日初めて来た保育士さんがコナンやドラえもんが好きだと知ってラウンジから借りて来てくれたのを読んだり、私の母が小さかった頃、肺炎で点滴ではなくてとても大きい注射をされてとても痛かった話、今は点滴はそれほど痛くなくなって良かった、みたいな。主治医では無い他の先生も時々来て診察をしてくれる。さっきの昔の注射が痛かったって、と長女が話したら「そう、昔は針が今みたいにうまいこと出来てなかったからね、“我慢していれば治る”みたいな昔の日本人が好きそうな根性論だったけど今は違って“いかに快適に治療できるか”と言うのが大事だからね」なるほど。この先生はクセがありそうだが大人に話すように子どもにも話すのでいいな。スティッチのキャラがついたペン型ライトも持ってて長女と楽しく喋ってくれた。そしてまたさっきの保育士さんが絵本の読み聞かせをしてくれる。「鬼じゃないよオニギリだよ」「ふとんの仙人(だったか?)」子どもを飽きさせないような工夫が結構ある。

お母さん達が家へ向かい次女の面倒を見てくれるので、夫がこちらへ。2人で主治医の先生から病院を移る時、移ってからの事など。“明日移動し、来週のどこかで手術になると思います”

夫と2人で長女に病院を移ることを説明する。

「今こうやって血をサラサラにする点滴をしたり、検査したりしてるでしょ?それで、何でこうなったのかもっとよく調べるために、ここよりもっと子どものお医者さんがたっくさんいる病院に移ることになったからね。」

「子どもの病院なの?〇〇(いつもいってる小児科)みたいな?」

「いや、あそこは一階だけが子どもの病院だけど、ビルが丸ごと小児科でいい専門の先生がいーっぱいいるんだよ。そこでまたくわ〜しく調べてもらって、血がドロドロで詰まってるのはどうしてか見つけて、原因がわかったら治療することにしようね」

「うん、移動ばっかりだね」

「そうだね」結構すんなり受け入れてくれた。

その後にまた主治医の先生から、別室で“移動する先の最初の何日かは集中治療室に入ることになるので、大部屋で周りに沢山重症な子がいたり長女は頭がいいから彼女にとって怖い言葉を別の患者さんのことで聞くこともあるかもしれない、と言うこと。検査がまた続くから恐怖を感じてしまうかもしれないこと”など説明してくれる。不安だけど仕方ない。それをもっとマイルドにした言い方で先生が直接長女に言ってくれる。「明日移るところはここみたいに部屋が個室じゃなくってみんなで並んでカーテンで仕切ったりしてるところなのね、だから他の子どもたちの治療のための音とか、先生たちのお話とかが結構うるさいかもしれないんだ。それに長女ちゃんの検査のために沢山の人が来るかもしれないんだ。」うん、うん、と聞いていたが実際はどんなもんだろうか。

テレビでEテレの海外ドラマを見て大爆笑している娘。顔の半面が麻痺しているので片方だけで笑っている。でも楽しそうだし言葉も喋れる。晩御飯は夫が楽しく説明しながら食べさせてくれる。こう言う食事の時に楽しくする、とか言うことが大事。夜8時くらいに帰っていった。

長女が退院したらしたい事は、一風堂の赤丸のラーメンを食べること。ディズニーランド、ディズニーシーに行くこと。お義母さんとショッピングモールに行くこと。「車椅子で行ってもいいけどやっぱり両手で食べたいな」「そうだね、ちょっとずつ動かす練習をしていこうね、時間がかかるかもしれないけどね、こうやって(腕を動かしてやりながら)動かなくても動かす練習やマッサージをしていくといいんだって」「そっか」自分の動く右手で、動かない左手を持って上下に動かす長女。

テレビでクイズ番組を見ながら一緒に回答を予想したり。気づいたら消灯の時間を過ぎていた。寝る前、これまでもいつもやっていたハグしながら「おやすみ、長女ちゃん大好きだよ」と言うと「お母さん、大好きだよ。ほんとにほんとにね」と言われて涙がこぼれそうになってしまった。

寝て少し経っても点滴しているのでトイレが近いのだがベッド脇の簡易トイレに立ってまた寝る姿勢をとると動く方の太ももがすごく痛むようで痛い痛いと涙が出るほどだったのでナースコール。痛み止めを入れてもらい、落ち着いて寝る。

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